グループホームについて知っておこう。

どのようなものか

高齢者に起こり得る心身の衰えの中で、対応が難しいものの一つが認知症です。
認知症の症状が出始めると、体験したことがすっぽりと抜け落ち、食事をしたばかりなのに「ご飯を食べていない」と言ったり、
自分のいる場所が認識できず、家にいるのに「帰りたい」と言い出したりすることがあります。

 

こういった記憶力、記銘力、見当識といった能力の低下だけでなく、
徘回や暴力行為、幻覚といった周辺症状があることも、対応を困難にさせる要因となります。

 

このような症状が出始めると、家族は四六時中気が休まるひまがなく、
いら立ちを感じ、どんどん疲れていきます。

 

認知症の周辺症状は本人の不安から来るものといわれ、
生活状況が安定することによって改善を期待することができるのですが、
疲れ切っている家族が生活状況が安定するような対応をしようとしても、なかなかうまくいきません。

 

介護による肉体的な負担の大きさと、認知症という病気が原因で、
家族である介護者のことさえも忘れてしまう高齢者のことを受け入れなければならないという精神的な苦痛から、
穏やかに接することが難しいのです。
このような場合に利用できるのが、グループホームです。

 

介護保険上「認知症対応型共同生活介護」として扱われるこのホームは、
5〜9人程度の少人数の認知症の高齢者が、職員の助けを借りながら共同生活を送る「家」のような場です。

 

一人一人に個室が用意されているほか、
共用のリビングや浴室、 トイレなどがあり、入居者が職員の助けを借りながら調理や掃除、後片付けといった役割をこなします。

 

散歩や買い物に出かけたり、時にはバス旅行を企画したりして、
日常生活を楽しく穏やかに暮らせるよう、支援してくれます。

 

介護保険を利用できるため、自己負担の月額はそれほど高くありません。
介護度にもよりますが、食事代込みでも10〜 20万円程度です。
入居一時金が必要なホームもありますが、金額は数十万円程度というところが多いようです。

 

グループホームには認知症をわずらっている65歳以上の高齢者のうち、
おおむね要介護度1以上の人が入居することができます。

 

ただし、ほかの入居者と協力して生活することになりますから、
暴力行為が激しいなど共同生活に適さない症状を示す場合は入居することができません。

 

また、中には寝たきりなど重度の介護が必要になった場合には退居を求めるところもありますので、事前に確認しておくとよいでしよう。

 

認知症対応型共同生活介護(グループホーム)のしくみ
特徴 認知症の高齢者が施設の介護スタッフとともに共同生活する介護サービス
入居対象者 共同生活を送る上で支障のない認知症の高齢者要介護認定で要介護1以上の人を対象
人数 5〜9人
施設

原貝」として個室
施設職員の介護サービス計画に基づいて食事や入浴などのサービスが提供される

費用 介護サービス利用料の自己負担分は1害1。利用料の他に家賃、食材料費、光熱費、敷金などが必要

どんな特徴があるのか

最近は、65歳を越えていわゆる「高齢者」と呼ばれるようになっても、元気な人がほとんどです。

 

70歳、80歳になっても趣味にいそしんだり、
ボランティア活動をしたり、中には現役で活躍している人もいるほどです。

 

しかし、そんな人たちにも、年齢による心身の衰えはどうしても出てきます。
ひとり暮らしをしていて突然病気になったらどうしようという不安を抱えていたり、
日々の家事に負担を感じたりしていることがあるということです。

 

それならば子供との同居を考えたり、
元気なうちに自立型の有料老人ホームに入居するといった方法をとればよいのではないかと考えがちですが、
実際には「子供と同居して負担はかけたくないし、自分も気兼ねしながら暮らすのは嫌。

 

自由に生活していたいから、
施設や老人ホームに入居してルールに縛られるのは抵抗がある」といったことを思う高齢者もかなりいるようです。

 

このような悩みを抱える高齢者の居住方法の一つとして注目されているのがグループリビングです。

 

グループリビングのしくみ

グループリビングとは、 5〜 10人前後の少人数の入居者が個々に住める居室と、
一緒に使用できるリビング、台所、風呂などの共用設備を併設した「グループハウス」に住むことをいいます。

 

グループハウスの入居者は、おおむね60歳以上の比較的健康な高齢者が対象で、
個々の生活ペースを尊重する一方、台所で食事を一緒にとったり、
共用リビングでおしゃべりを楽しんだりもできます。

 

食事の準備や共用設備の清掃などは相互に助け合うほか、
外部の事業者に委託するなどして運営するところもあります。

 

グループハウスの数は、まだ日本では少ないのですが、
思いをひとつにする高齢者同士が立ち上げて運営をNPO法人に委託したり、
企業や自治体が建設・運営に乗り出したりというケースが徐々に増えてきています。

 

介護が必要になった場合にどうするのかといった問題点はありますが、
孤独感や不安感を解消し、個々の人生を楽しむことができるという点で、
今後期待の持てる住まい方であると言えるでしょう。

 

なお、グループハウスに入居するには、入居者を募集しているところを探すほか、
設立を支援するNPOなどに相談し、仲間とともにみずから立ち上げることを考えてみるのも一つの方法です。

 

グループリビングのしくみ
特徴 比較的元気な高齢者が、いつしょに住み、自発的に助け合つて生活すること
入居対象者 健康で、身の回りのことを自分でできるおおむね60歳以上の人
人数 おおむね5〜 10人
費用 入居一時金、月額費用、共益費などがかかる。入居一時金が300万円以上の施設もある
施設

施設によつて異なるが、個室と共有スペースが分かれている。
風呂 トイレなどの設備を個室に整えている施設もあれば、共同生活者で共用するタイプもある

 

参考図書