老人ホームを見学する際のチェックポイント

見学に行けば実態がわかる

パンフレットを見るだけでは老人ホームの良し悪しはわかりません。

 

パンフレットには美しい写真を掲載しているのに、
実際見学に行ってみると、施設が古く、汚くなっていたという事例もあります。

 

老人ホームを選ぶ前には必ず見学に行き、そこの実態をよく把握しておく必要があります。

 

たとえ事前に説明を受けていることや、パンフレットで触れられていることであっても、
少しでも疑間を感じた場合は、改めて質問を行うようにしましょう。

 

見学でより詳しく老人ホームの状況を知るために、
以下の点に注意して下さい。

 

@ 見学には老人ホームで暮らす事になる本人も連れて行く

 

入居することになる本人がその老人ホームを気に入らなければ、
入居契約は控えなければなりません。

 

また施設の欠点は、なかなか健常者では気づかない所もあります。
できる限り、実際に利用者となる人と共に見学を行って、細かくチェックしておきます。

 

A 家族や保護者と一緒に行く

 

家族や友達など、複数で見学に行きます。一人では見逃してしまうような所でも、
数人でチェックを行うとより多くの事に気づくことができます。

 

B 複数の施設を複数回見学に行く

 

一度だけの訪間では、欠点を見落としてしまう場合もありますし、
たとえ同じ老人ホームでも、季節や天候によって少なからず雰囲気が変わってきます。

 

また最近では、施設の規模や料金、サービス内容に至るまで、さまざま種類の老人ホームがあるので、
できるだけたくさんの老人ホームを見学し、選択肢を広げておくことも必要でしよう。

体験入居してみる

老人ホームを選ぶときにも、第一印象というのは大切です。

 

見学に行って最初に足を踏み入れたときに感じるものが、
後の評価を左右することもあるでしょう。

 

ただ、ホームの人に案内されて歩く表面的な見学だけでは、つかめないこともあります。

 

たとえば時間帯による雰囲気の違いや、天候による違い、
一日の流れといったものが挙げられます。

 

老人ホームは長い時間を過ごす生活の場ですから、
このようなポイントを知ることが大変重要になります。

 

これを知るためには、できれば体験入居のシステムを利用して、体感するのが一番です。

 

体験入居の際には、三度の食事や買い物、入浴、日中の過ごし方、
深夜の騒音など、これまでの日常と比較して不都合がないかどうか、
入居者や職員の雰囲気はどうか、経営者の理念がホームの運営に反映
されているかどうかといったことに注意して生活してみてください。

 

 

【老人ホーム入居までの流れ】

 

1.自分の健康状態を把握し、家族へ相談する。
2.どの様な施設・サービスが必要なのか見当をつける。
3.老人ホームの資料を請求し、施設やサービスを理解する。
4.検討している施設の見学と体験入居。
5.相談、比較検討をした上で入居する施設を決める。
6.入居契約をする。

入居へ。

見学に行く際にはここをチェックする

実際に老人ホームヘ行く際には、周辺の状況もよく調べておきま
しょう。おもな注意点としては以下のようなことがあります。

 

@ 周辺の環境

 

老人ホーム周辺の環境は重要なチェックポイントです。
周囲に不快な騒音がしていないか、
施設が不衛生な環境の中に建っていないかということを確認しておきましょう。

 

A 近場の病院

 

老人ホームは介護を行う場所ではありますが、医療行為は行えません。

 

そのため、近隣の病院と提携関係を結んでおり、
万が一急病人が出た場合には、その提携先の病院で治療を受けることになります。

 

なお、有料老人ホームの届出を都道府県に提出している施設であれば、
協力医療機関が決まっています。

 

見学の前には、このような老人ホームと提携している病院の調査も必ず行っておくようにしましょう。

 

病院に関するチェックポイントとしては、
病院の設備や評判はどうなっているか、希望する治療が行われているか、
夜間の診療は受け付けているかといったことが挙げられます。

 

B 交通機関や立地条件

 

利用者が入居した後は、定期的に家族が訪問することになります。
また、健康な状態で入居するのであれば、時には外出もするでしょうし、
ちょっとした買い物に出かけたいということもあるでしょう。

 

そのため、その老人ホームが電車やバスなどの交通機関を利用しやすい環境にあるか、
近くにスーパーや商店があり、買い物を行いやすい場所であるか、坂道や階段が多くないか、
シャトルバスなどの運行があるか、といったことについてチェックしておきます。

建物をチェックする

立地や周辺環境をチェックしたら、次は建物に目を向けましょう。

 

内装やインテリアといったものが好みに合うかどうかも重要ですし、
耐震構造になっているか、非常口などの位置はどうかといった基本的なことは当然確認しておかなければなりません。

 

さらに、高齢になるとほんのわずかな段差や通路の広さ、
浴室や食堂と居室との距離といったことが、移動の障害になることがあります。

 

自分の目で気になる点を確認するほか、
車いすやつえの人が気軽に廊下を歩いているかといった点にも注意してください。

食事のチェックはとても大切

毎日の食事は、生きるために必要な要素であるとともに、
大事な楽しみの一つでもあります。

 

食事が日に合わなかったり、
ゆったり落ち着いて食べられる雰囲気ではないといった問題があると、
どうしてもそこでの生活は苦痛になってきますので、
必ず事前にチェックしておいてください。

 

老人ホームの食事を体験するためには、
できるだけ昼食や夕食などが重なる時間帯に見学を行うか、
体験入居をすることです。老人ホームでの食事は、
普通食だけではなく、きざみ食、流動食、糖尿病・高血圧などの病気対応食というように、
入居者に合わせられたものもあるので、実際に試食して味と臭いを確認しておくのがよいでしょう。

 

中には見学者用に特別食を提供するところもありますが、
できれば入居者と同じ食事を体験できるよう、要望しておきましょう。

 

食事がどこでつくられているかも、重要なチェックポイントです。

 

内部にレストランを併設し、
好きなものを注文して食べられるというところもありますが、残念ながら少数です。

 

厨房を持ち、専属の調理師が毎日調理しているのであれば、
ある程度好き嫌いなどにも対応してもらえますが、
中には外部の業者に発注し、配達してもらっているだけというところもあります。

 

このような場合、個々の好みに合わせてもらうのは難しいでしょう。

 

 

また、食事にかかる料金も調べておきましょう。

 

「食べた分だけ払う」という実費制のところも多いのですが、
中には当日キャンセルは料金が必要、
月額の食事料金が決まっていて食べた回数に関係なく徴収されるなどといったところもあります。

 

その他食事の際にチェックしておくことは、
入居者が食事をしっかり食べているかどうかという点です。

 

食事のペースは人それぞれですが、高齢者や体が不自由な人の場合は、
食べることに時間もかかってしまいます。

 

まだ食べ終わっていないのに、食事の時間が過ぎたからといって、
料理を下げるなどの行為が行われていては大変です。

 

また、入居者の中には、一人では安全に食事を摂れない人もいます。

 

そのような入居者に対しては、
スタッフがしっかりと食事の補助や見守りを行って、
安全に食事が摂れているかについての確認もしておきましょう。

 

 

【施設見学をする上での心構え】

 

  • ただ施設を眺めるのではなく、入居後の生活をイメージして見学する
  • スタッフの表情や入居者の様子も観察する
  • 気後れせず、わからないことは質問する
  • 将来自分の状態が悪化した時の対応を聞く
  • 体験入居の制度があるかについて質問する

 

参考図書

損害保険に加入しているか

老人ホームでは、普通に歩いているだけでもつまづいて骨折したり、
食事をのどに詰まらせるといった事故が起こりやすいことは否めません。

 

地域で暮らしているときはそのような事故も本人や家族の責任になりますが、
ホームで起こった場合はホーム側の責任が問われることになります。

 

また、大事な思い出の品や高価な所持品を、
職員が掃除の途中で壊してしまったというような事故が起こることもあります。

 

ホームが起こした事故は、損害賠償という形で責任を負うことになるわけですが、
その額が高額になると、ホームの経営に支障をきたすことにもなりかねません。

 

このような事態に備え、
有料老人ホーム向けの損害保険を取り扱っている保険会社もありますので、
加入の有無を確認してみましょう。

 

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