有料老人ホームのパンフレットの見方について知る。

怪しいパンフレットも存在している。

有料老人ホームのパンフレットの見方について知る。

 

有料老人ホームは入居者が24時間生活する場所ですから、
ホーム側は誠実な対応をするのが当然です。

 

しかし、ホームの中にはお金儲けを第一の目的にして経営している悪質な所もあるので、
選択の際には十分な注意が必要です。

 

老人ホームを選ぶ際には、いくつかの候補を挙げてパンフレットを取り寄せ、
これを比較検討するのが通常です。

 

しかしパンフレットにはホームの表面的なことしか記載されていないのが通常ですから、
パンフレットだけでその老人ホームが信頼できる施設かどうかを判断するのはなかなか難しいものです。

 

特に悪質な業者が運営しているホームの場合、
実状とかけ離れたいいことばかりをパンフレットに羅列していることが多いようです。

 

いわば、パンフレットは獲物を得るための「罠」のようなものです。

 

パンフレットに掲載されているホームの居室の写真が気に入ったから選んだのに、
実際に入所してみたら写真とは全然違う部屋に入れられた、といったような苦情も頻繁に聞かれます。

 

また、居室が個室だと思っていたのに実際には
共同部屋に仕切りをつけて区切っているだけ、という場合もあります。

 

そのため、パンフレットの表現には十分注意する必要があるでしょう。

「介護」という表現には罠がある

パンフレットに記載されている文字の中で最も注意したいのが「介護」という言葉です。

 

老人ホームの入居希望者としては、最も関心のある問題が介護です。
入所する際には介護の必要がない高齢者でも、
数か月後、数年後には要介護の状態になるのが通常ですのでホームを選ぶ際には、
以下の点についてしっかリチェックしなければなりません。

 

@ 特定施設入居者生活介護の指定の有無

 

この指定を受けていないホームでは介護保険上のサービスを利用することができませんので注意が必要です。

 

「○○県指定介護保険特定施設」と明記していないのに
「介護つき」と表示している場合は怪しいと思った方がよいでしょう。

 

A 終身介護が受けられるかどうか

 

パンフレットに「終身介護」と記載されていても、
実際には退去を求められるケースもあるので要注意です。

 

たとえば認知症が悪化してきてトラブルを多く起こすようになった場合なども
続けてそのホームで介護を受けることができるのか、
それとも退去しなければならないのかなどは見学の際の質問や書面でよく確認しておきます。

 

■パンフレットのあいまいな表現

 

介護つき

 

どういう意味で「介護」なのか。
介護保険法上の「特定施設入居者生活介護」の指定を受けているのかを確認しましょう。

 

スタッフが24時間対応

 

医師や看護師も含めて24時間常駐しているのか、
スタッフには外部スタッフも含まれるのかを確認しましょう。

 

B 要介護度が変わつても同じサービスを受けられるかどうか

 

年数を経るに従って要介護度が変わるような場合に、
居室を移動される可能性もあります。

 

この際に、たとえ別室でも契約時と同レベルの居室であれば問題はありませんが、
個室から共同部屋に移されるなど、
扱いが劣化するにもかかわらず料金が変わらない場合は問題があります。
これらの点についてもあらかじめよく確認しておかなければなりません。

 

C 介護サービスの提供者

 

パンフレットでは「介護つき」と記載されていても、
ホーム自体はサービスを提供せずに外部スタツフが介護を担当するケースもよくあることです。
誰が介護サービスを提供するのかをはっきり確認しておきましょう。

 

ホームで介護サービスを提供していない場合には外部サービスを利用することになりますが、
その際に別途料金がかかるケースが多いので注意が必要です。

 

また、ホームのスタッフが介護を提供する場合でも、
看護・介護スタッフが何人常勤しているか、夜間の体制はきちんと整っているか、などもしっかリチェックします。

 

パンフレットの記載があいまいな場合は、疑問点をリストアップしておいて見学時などに質問をするとよいでしょう。

 

■バンフレットの問題点

 

・大まかな料金体系しか書かれていないことが多い
・掲載されている写真が最新のものとは限らない
・表現内容があいまいであることが多い
・都合の悪いことは書いていないことが多い

24時間対応は本当なのか

「24時間」も勘違いしやすい表現です。

 

「24時間対応で安心」などとパンフレットにはよく書かれていますが、
この表現にも気をつけなければなりません。

 

ここで注意したいのは、24時間対応する人が「誰」なのか、ということです。
1日24時間、職員が常駐していることは老人ホームの基本です。

 

しかし、ホーム職員は医師でもなければ看護師でもないことが通常です。

 

たとえ介護職員が24時間常駐しているとしても、
介護職員は経管栄養(チューブを用いて栄養を送ること)の器具の設置や清浄、
注射などの看護師の仕事を代行することはできません。

 

このため、たとえば夜間に緊急措置が必要になった場合に
介護職員が行えるのは医師や看護師に連絡をとることだけです。

 

重態の場合には、医師や看護師が到着する前に
取り返しのつかない状況に陥ってしまう可能性もあるわけですから、
できれば看護師が24時間常駐しているホームを選ぶベきです。

 

また、
施設内クリニックが24時間対応しています
と書かれているパンフレットもよく見かけますが、
施設内クリニックの経営者がホーム
の経営主体と同一かどうかはチェックする必要があるでしょう。

 

別の経営者が入っている場合、
医師や看護師が常駐しているのは
クリニックの営業時間だけということもありますから、
必ずチェックを入れておきましょう。

 

いくらクリニックが施設内にあっても、
夜間は看護師が1人も待機していないのでは
クリニックのない有料老人ホームと変わらないといえます。

 

参考図書