有料老人ホームの運営会社について知る。

さまざまな業界が老人ホームの経営に参入している

有料老人ホームの運営会社について知る。

 

有料老人ホームは、おもに民間企業によって運営されています。

 

介護保険制度が導入された平成12年4月以降、さまざまな業種の企業が介護業界に参入してきました。

 

厚生労働省が公表している社会福祉施設等調査結果の概況によると、
有料老人ホームの設置数やホームの所在者数は右肩上がりに上昇しています。

 

平成12年に350施設であった有料老人ホームは、
平成25年には7000施設にまで増加しており、
13年間で設置数が20倍になったということになります。

 

さまざまな業界の企業が老人ホームの運営に参加し、
介護は今やビジネスになっているといえるでしょう。

 

具体的に有料老人ホームの運営会社やその親会社を調べてみると、
金融系、不動産。建築系、生保系、宗教系、病院系、飲食系、教育系、セキュリテイ系など、
さまざまな業種の企業が参入していることがわかります。

 

国内の企業だけでなく、外資系の企業が運営している有料老人ホームもあります。

 

運営の理念を見ると、不動産、建築系であれば「バリアフリー建築のノウハウを生かす」、
飲食系であれば「食事の楽しみを大切にする」というように、本業の業種の特色が反映されていることが多いようです。

 

実際に運営会社のホームページなどを閲覧してみるのがよいでしょう。

 

ただし、ホームを実際に運営しているのは施設長やスタッフですから、
売り文句だけをうのみにせず、必ず見学して自分の目で確かめてみましょう。

どんな人たちが運営しているのか

「老人ホーム」というと、公的機関や社会福祉法人などが運営しているものと思われがちです。

 

確かに特別養護老人ホームなどの介護保険施設はそのとおりなのですが、
有料老人ホームの多くは民間の株式会社やNPO法人などが運営しています。

 

しかも、その事業者の本業は介護や医療といった分野だけではなく、
建設業者や飲食業、ホテル業、金融業などさまざまです。

 

もちろん、介護や医療の分野のホームがよくて、
ほかのところは問題があるということではありません。

 

他分野から参入してきた事業者の中にも高い理念と熱い思いを持ち、
入居者の老後の生活をよりよいものにしようとホーム運営をしているところがたくさんあります。

 

ただ、自分や家族の生活を預ける場になるわけですから、
立地や外観といった部分だけでなく、運営者がどういう人たちなのか、
どんな思想のもとにホーム運営を行っているのかということは知っておくべきでしょう。

 

経営母体が民間企業の場合、
老人ホームの運営によって利益を上げる必要があります。

 

そのため、大企業であればあるほど経営が安定していて安心できる、というイメージがあるかもしれません。

 

確かに、倒産するリスクは大企業の方が少ないでしょうし、
いくつも施設を持っている企業であれば、
希望施設に空きがなくてもひとまず他の施設に入居できる、といった臨機応変な対応も期待できます。

 

ただ、大企業の場合、介護事業の採算が見合わないと介護の事業だけを別の会社へ売却するということも考えられます。

 

したがって大企業が運営しているからといって必ずしも安定は約束されません。

 

そのため、決算書のチェックによって経営が安定しているかどうか、
採算がとれているか、入居者が集まっているか、事業の継続が見込まれるかどうかといった点を見定めることが必要になります。

経営者がどんな人かが重要

有料老人ホームには、資格を持った介護士や看護師、
生活相談員や機能訓練指導員といった職員が配置されています。

 

このほかにも、食事を準備する調理員や、清掃員など、たくさんの人が働いています。

 

どんなにすばらしい環境で、充実した設備が整っていても、
施設で働く職員にやる気がなかったり、
機械的にノルマをこなすような形で業務を行っているようでは、
入居者は心豊かな生活を送ることはできません。

 

ホームで働くたくさんの人たちが、
いきいきと笑顔で仕事に取り組んでいることが必要なのです。

 

また、ホームの経営者の人物像を知ることも重要です。

 

経営者が利益優先で人件費をできるだけ削ろうとしている場合、
また、高い理念を持っているものの、現場の不満や苦労を理解せず、
採算を度外視して自分の理想を押しつけるような人である場合、職員はついて行けず、
ホームの経営も成り立たなくなくなってしまいます。

 

有料老人ホームを選ぶ際には、できれば施設長や運営者に会い、
どういう方針でホームを運営しているのかを聞いてみるとよいでしょう。

 

【チェックポイント】

・民間運営か、公益法人運営か
・経営状態は安定しているか
・古参か新規参入か
・運営しているのは子会社か
・他にどのような事業を展開しているか

 

参考図書